通信教育

塾に通うのは無駄?行かない方がいい3つの理由と自宅学習ツールを紹介

子どもの学習方法に正解はありません。塾に行くことがすべての子どもにとって最適だとは限らないからです

この記事では、塾に行かない方がいい理由と、塾に行くべきでない子どもの特徴を解説します。塾に行かないメリットと、塾以外で利用できる学習ツールを紹介するので参考にしてください。

記事を読めば、塾以外の選択肢で子どもの学習をサポートする方法を理解し、家計にも優しい学習計画が立てられるでしょう

塾に行かない方がいい理由

塾に行かないほうがいい理由は以下の3つです。

  • 自主性が損なわれる可能性がある
  • 必ずしも成績が上がるとは限らない
  • 経済的に負担がかかる

自主性が損なわれる可能性がある

塾に通うと自主性が損なわれる可能性があります。理由は以下のとおりです。

  • カリキュラムが固定されており、個々の学習ペースや興味に合わせにくい
  • 塾の指導に依存し、自己解決能力の育成が阻害される
  • 自主的な学習習慣が身につかず、長期的な学習意欲の低下につながる
  • 指示に従うことが評価され、創造的思考や質問を制限する

塾に通う子どもに必ず起きるとは限りませんが、自主性を重んじるのであれば、塾に行く必要はありません

必ずしも成績が上がるとは限らない

塾に通うと必ずしも成績が上がるとは限りません。理由は以下の5つです。

  • 子どもの学習スタイルや能力によっては塾の教育方法が合わない
  • 教育の質は塾によって大きく異なり、すべての塾が質の高い指導を提供しているわけではない
  • 塾のカリキュラムが子どもに必要な勉強内容に適していないと、成績向上に直結しない
  • 自己学習の習慣が身につかず、塾に頼り切りになり長期的な学習効果が得られない
  • 塾での競争やプレッシャーが子どもにとって逆効果となり、モチベーションの低下やストレスにつながる

以上の理由から、塾に通えば必ず成績が上がるとは言い切れません。塾を選ぶ際は、学習スタイルやカリキュラム、教育方法など子どもとの相性を慎重に見極める必要があります

経済的に負担がかかる

子どもを塾に通わせると経済的に負担がかかります。塾に通わせるためには、入学金や施設使用料、教材費などの初期費用に加え、毎月の授業料が必要です。文部科学省の調査によると、中学校と高校の公立・私立別の平均費用は下表のとおりです。

公立私立
中学約2万円/月約1.5万円/月
高校約1万円/月約1.5万円/月

令和3年度子供の学習費調査(外部サイト)

家庭によっては兄弟姉妹が複数人おり、全員を塾に通わせる場合、経済的な負担は2~3倍に増えます。塾に通う期間が長くなれば、総費用も高くなり、家庭の経済状況により継続が難しくなります。

子どもを塾に通わせる前に家庭の収入や兄弟姉妹の人数、毎月の費用を算出し、継続した通塾が可能か判断しましょう。

塾に行くべきでない子どもの特徴

塾に行くべきでない子どもの特徴は次のとおりです。

  • 独学が得意
  • 受験をしない
  • 人との交流が苦手

独学が得意

独学が得意な子どもは、自分で計画を立てて学習を進められるため、塾での学習は不要です。独学が得意な子どもの特徴と塾が不要な理由は下表のとおりです。

独学が得意な子どもの特徴塾が不要な理由
独自の学習スタイルが好き塾に通うと学習に対する意欲や興味が低下する
学習プランを立てる能力が高い塾の形式的なカリキュラムが必要ない
問題解決スキルにたけている指導者がいらない
自己管理能力が高い自分のペースで長期的な勉強ができる
学習進度の調整が得意無理なく勉強できストレスも感じにくい

独学が得意な子どもは、自宅や図書館など、自分に合った環境での学びが適しています。自主性を活かして学習に取り組めば、コストパフォーマンスに優れた勉強ができます。

受験をしない

受験をしない子どもは塾に通う必要がありません。大学や高校の受験準備よりも他の方法で経験を積むことが重要だからです。実践的な知識やスキルを学ぶべきなのは、家族経営の事業を継ぐ子どもや芸術家、プロスポーツ選手を目指す子どもです

受験をせずに特定の分野で早くから経験を積む予定がある場合は、専門性に特化した教育コースが有利になります。受験をしない子どもには塾にかける時間よりも優先するべき教育や実践経験があります。

人との交流が苦手

人との交流が苦手な子どもにとって、塾環境はストレスの原因です。集団活動が多い塾では、他の生徒とのコミュニケーションが求められます。集団行動に対する苦手意識が強い子どもには、塾が学びの場として適していません

人との交流が苦手な子どもの特徴は以下のとおりです。

  • 人混みや集団の中で緊張しやすい
  • 社交的な環境にいるとストレスを感じやすい
  • 他人とのコミュニケーションに不安を感じる
  • グループ活動よりも一人での作業を好む
  • 対人関係でのトラブルが原因で集中力を失いやすい

上記の特徴が見られる子どもは、塾に通うよりも自宅学習やオンライン学習が適しています。個々のニーズに合わせた学習方法を選べば、効率的な学びを実現できます。

塾に行かないメリット

塾に行かないメリットは以下の2つです。

  • 柔軟な学習スケジュールを立てられる
  • 塾の費用を他の教材に充てられる

柔軟な学習スケジュールを立てられる

自分で学習スケジュールを立てるメリットは以下のとおりです。

  • 自分のペースで学習が進められる
  • 予定が変更になっても柔軟に対応できる
  • 自分に合った時間帯に集中して勉強できる
  • 余暇の時間を有効に活用しながら学習を組み込める
  • 生活リズムや体調に合わせて休憩や学習時間を調整できる

学習をする際、自分自身のペースで進められるのは大きなメリット。急な予定変更でもスムーズに対応でき、ストレスなく勉強を続けられるからです。

子どもによって集中しやすい時間帯が違います。勉強時間を自分の集中できる時間に合わせると効率よく知識を身につけられます。自由にスケジュールを管理すれば、趣味や休息の時間を確保しつつ、学習を継続することが可能です

自分で学習スケジュールを立てるメリットを理解し、日々の生活リズムや体調を考慮しつつ、取り組みましょう。

塾の費用を他の教材に充てられる

塾の費用を他の教材に充てると、家計に優しいだけでなく、子どもの学習方法を多様化させられます。塾にかかる平均的な費用は月謝や教材費、交通費などを含め、約1~2万円です。

毎月の出費が1~2万円少なくなれば、質の高い教材や参考書を購入できます。塾の費用をオンラインコースや学習アプリに活用すれば、子ども一人ひとりの興味や必要に応じた学習環境が選べます

個別指導や家庭教師などの教育サービスを選択できるため、子どもに適した学習スタイルでの受講が可能です。

塾以外の学習ツール

塾以外の学習ツールは以下の3つに分けられます。

  • オンライン学習
  • 学習アプリ
  • 参考書や問題集

オンライン学習

オンライン学習は、場所を選ばずに自分の好きな時に学べるため人気です。特徴は以下の8つです。

  • 複数の科目やスキルが学べるコースが用意されている
  • 自分のペースで学習を進めることができる
  • 動画講義、双方向性授業、実践的なプロジェクトなど多様な教材がある
  • 講師や他の受講者とコミュニケーションできる
  • 一部のコースは無料で受講可能で、全体的に受講料が安い
  • スケジュール管理が容易で、忙しくても学習を継続しやすい
  • 定期的な更新で最新の学習内容が提供される
  • オンライン認証や修了証を提供しているコースがある

費用も塾に比べれば安く、経済的な負担も少ないです。自宅にインターネット環境が整っているのであれば検討してみましょう。オンライン学習の一部を紹介します。

オンライン学習サービス利用料金タイトル特徴
Khan Academy無料小学生~高校生10分程度の講義動画で学習し演習問題に挑戦する
UrSTUDX登録料・月額基本料無料
受講クラスごとに利用料金が必要
未就学児~大学生動画講義・1on1・ディスカッションのスタイルで受講できる
Jmooc無料高校生以上日本の大学教授や専門家の動画講座を視聴できる

各サービスごとに提供内容が異なるため、学ばせたい内容や費用に応じて選んでください。
» タブレット学習のメリットとデメリット

学習アプリ

学習アプリは、時間や場所を選ばずに勉強ができる便利なツールです。学習アプリの特徴は以下のとおりです。

  • 時間と場所を選ばずに勉強ができる
  • 参加型学習で理解を深めやすい
  • ゲーム要素が含まれ、モチベーションの維持ができる
  • 学習進度や理解度の追跡ができる
  • 多くの教科や項目の学習アプリが存在する
  • 無料または安価で利用できるアプリが多い
  • コミュニティ機能を提供しているものもある
  • 定期的なアップデートで最新の学習内容や機能が追加される

学習アプリはゲーム感覚で始められるため、未就学児や小学生におすすめです。勉強だけの内容では持続できない子どもでも、敵を倒したりアイテムを集めたりできる学習アプリであれば続けられます。

無料の学習アプリから取り組み、子どもが興味を持って取り組めそうであれば、有料版も検討してみましょう

参考書や問題集

参考書や問題集を使った自宅学習は、うまく活用すれば塾に通わず学力を伸ばせます。自宅での学習に役立つ参考書や問題集は多く、子どもの学習スタイルやニーズに合った教材を選ぶのが大切です。使用教材と向いている子どもを下表にまとめたので、参考書や問題集購入の参考にしてください。

使用教材向いている子ども
高校入試 完全攻略シリーズ(旺文社)
教科別問題集(Z会)
進学を希望している
中学理解度チェックテスト(学研)自分の理解度を確認したい
苦手分野を克服したい
中学3年間の総復習(駿台文庫)
河合塾シリーズの問題集と参考書
レベルの高い内容にチャレンジしたい
中学基礎がため100%シリーズ(東進ブックス)
チャート式シリーズの参考書
基礎から応用まで幅広く勉強したい
「新研究」シリーズ(数研出版)各教科を深く掘り下げたい

紹介した参考書や問題集を利用すれば、塾に通わなくても効率的な学習ができ、自分のペースで着実に知識を深められます。

まとめ

塾に行かない選択には、複数のメリットがあります。

  • 子どもの自主性を育む機会が増える
  • 責任感や自己管理能力を養える
  • 経済的な負担を減らせる
  • 生活スタイルや学習ペースに合わせた柔軟な学習計画を立てられる

塾に代わる学習ツールを活用すれば、家庭での学習を充実させられます。今回紹介したオンライン学習や学習アプリ、参考書や問題集の利用を検討し子どもの学力アップに取り組みましょう
» 【小学生向け】通信教育を選ぶポイント