- 英語は早いうちから習わせた方がいいの?
- 英語ができたら子どもの可能性は広がる?
- 家庭でもできる英語教育のサポート方法が知りたい
多くの親御さんが、子どもの英語教育に興味を持っています。しかし、早すぎる英語教育は、子どもにストレスを与える可能性があるので、心配する方は多いです。
この記事では、小学校の英語教育が始まった背景と学習カリキュラムについて解説します。記事を読めば、小学校での英語教育のメリットとデメリットを理解し、家庭でのサポート方法と重要性がわかります。
小学校での英語教育は、子どもたちの英語能力や国際的な視野を広げるために重要です。効果的な学習方法を理解し、家庭でも継続的にサポートできれば、子どもの英語力を大きく向上させられます。
小学校での英語教育はいつから始まったのか
英語教育が始まったのは、1992年から一部の自治体で行われた実験的な授業が最初で、段階的に拡大していきました。小学校での英語教育は、子どもたちの国際的な視野を養い、グローバル社会で活躍できる力を身に付けさせるために始まりました。
小学校での英語教育の歴史は以下のとおりです。
- 1992年に一部の小学校で英語教育が始まる
- 2002年から英語教育が全国で開始される
- 2011年から小学5・6年生で英語教育が必修化される
- 2020年から小学3年生からの英語教育が始まる
1992年に一部の小学校で英語教育が始まる
1992年に日本の一部の小学校で英語教育が始まります。英語教育の目的は、異文化理解やコミュニケーション能力の向上としていました。授業では日常生活で使う基本的な英語表現を学び、子どもたちが日々の生活で実際に使える英語の習得を重視しています。
英語を母国語とする外国人教師が授業を担当し、生徒たちに実践的な英語教育を実施しました。しかし、当時の学習指導要領に英語教育は含まれていませんでした。導入は教育委員会や各学校の裁量に任されていたため、全国の小学校で統一されていたわけではありません。
2002年から英語教育が全国で開始される
2002年から日本全国の小学校では、文部科学省の英語教育推進策により英語が教科活動の一環となります。主に高学年を対象に外国語活動が実施されるようになりました。
英語教育の目的は、英語によるコミュニケーション能力の基本を身に付けることです。英語教育の全国開始に伴い、英語指導助手(ALT)を活用した授業が一般化しました。
授業内容は、遊びや歌を通じて基本的な英語表現の習得に焦点を当てます。子どもたちが英語に親しみを感じ、慣れることを重視した教育が行われるようになりました。
2011年から小学5・6年生で英語教育が必修化される
子どもたちが早い段階から英語に親しむため、2011年から「英語活動(外国語活動)」が必修科目になります。小学校5年生と6年生が対象です。
具体的には、毎週1回、35分間の授業が時間割に組み込まれました。英語活動の授業では「聞くこと」と「話すこと」に焦点を当てて学習が進められます。
文部科学省が導入した制度により、全国の小学校で統一された英語教育が受けられるようになります。英語教育の結果、子どもたちはグローバル社会で活躍するための基盤を学ぶことが可能になりました。
2020年から小学3年生からの英語教育が始まる
2020年からは、小学3年生と4年生から「外国語活動」として、週に1時間程度の英語学習が取り入れられることになります。以前のカリキュラムでは、正式な教科としての英語授業は小学5年生から開始されていました。
2020年の教育改革の目的は、子どもたちがより早い段階で英語に触れることです。早い段階から英語に対する興味や親しみを持たせ、学習へのモチベーションを高める狙いがあります。
【学年別】小学生の英語の学習カリキュラム
小学生の英語学習カリキュラムは、各学年に応じて異なる内容と目標があります。低学年で重視するのは、楽しみながら英語に触れることです。高学年では、日常で使える英語を実践的に学んでいきます。それぞれの学年でのカリキュラム内容を解説します。
小学3・4年生の英語学習カリキュラム
小学3・4年生の英語学習カリキュラムでは、週1回程度の「英語活動(Foreign Language Activities)」が行われるのが特徴です。子どもたちが楽しみながら英語に親しむことを目標とします。
教育内容は以下のとおりです。
- 遊びやゲームを交えた活動中心の授業
- 歌やチャンツを用いてリズム感やイントネーションの練習をします。アルファベットの認識と発音が課題です。
- カードやイラストを用いた単語学習
- リスニング・スピーキングの練習を通じて、基本的な英語理解を深めます。
- 文化や風習を取り入れた国際理解教育
- 英語での簡単なコミュニケーションがクラスメイト間で可能になります。
上記のカリキュラムを通じて、子どもたちは英語に自然に触れ、楽しく学ぶことが可能です。
小学5・6年生の英語学習カリキュラム
小学5・6年生の英語学習カリキュラムは、文部科学省が定める学習指導要領に基づいています。小学5・6年生では、英語が正式な教科として位置付けられ、週に1~2時間の授業が行われます。学習目標は、リスニングとスピーキングに重点を置いたコミュニケーション能力の向上です。
子どもたちはアルファベットの習得から始め、日常生活で使える単語や基本的なフレーズを学習。家庭での学習を支援するための教材も提供され、語彙力が向上します。
英語圏の文化についても学ぶことで、生徒たちの英語への理解が深まります。授業は歌やゲームを通じて、楽しみながら学べる構成です。学習評価に関しては、生徒の参加度や意欲、コミュニケーションへの取り組みが重視されます。
小学校の英語教育のメリット・デメリット
小学校での英語教育は子どもたちにとって大きなチャンスですが、英語教育にはいくつかの課題もあります。子どもたちの将来の可能性を広げるメリットがある一方、指導方法にバラつきがあることなどが問題です。
小学生の子どもを持つ親は、英語教育のメリットとデメリットを理解し、子どもの英語教育を有効に進めることが求められます。
小学校の英語教育のメリット
小学校での英語教育には、以下のようなメリットがあります。
- 多文化への理解が深まる
- 子どもたちが言語を覚えるのに適した時期に英語を学ぶことで、自然に英語を吸収する能力が向上します。適切な時期の英語教育により、国際的な視野や多文化への理解を深めることが可能です。
- コミュニケーション能力が養われる
- 将来世界で活躍するための、大切なコミュニケーション能力を養成できます。
- 「聞く」「話す」「読む」「書く」の能力が上がる
- 楽しみながら英語に親しむことで学習意欲を促進します。「聞く」「話す」「読む」「書く」の4つの技能をバランスよく向上させることが可能です。
上記以外にも、他の教科と関連付けて英語を学習することで、総合的な学習力を向上させるメリットもあります。英語を通じて自分の考えを表現する力や創造性を育むことが可能です。
小学校の英語教育のデメリット
小学校の英語教育のデメリットは以下のとおりです。
- 学習時期が早いため一部の子どもにはストレスがかかる
- 教育内容が表面的で薄くなってしまう
- 教師の質により効果的な教育が受けられない場合がある
- 日本語との二言語学習の負担が大きい場合がある
- 他の教科の学習時間や活動時間が削られてしまう
上記の状況を踏まえ、子ども一人ひとりのニーズに応じた英語教育の実現が教育現場に求められています。
【技能別】小学生の3つの英語学習方法
英語はグローバルコミュニケーションにおいて重要なツールです。小学生にとって、将来にわたって役立つスキルを身に付けるために、英語を学ぶことが大きな意味を持ちます。
英語を習得するためには、以下の学習方法が有効です。
- リスニング力を鍛える方法
- スピーキング力を鍛える方法
- リーディング力を鍛える方法
上記の3つの技能をバランス良く鍛えることは、英語習得に不可欠です。3つの技能には最適な学習方法が存在します。最適な学習方法を取り入れると、子どもたちは楽しく効率的に英語を学ぶことが可能です。
リスニング力を鍛える方法
リスニング練習にはさまざまな方法があり、楽しみながら日常生活に取り入れられます。リスニング力を鍛えることで、英会話の理解が深まり、スムーズなコミュニケーションが取れるようになります。継続したリスニング練習が大切です。
リスニング力を鍛える方法は以下のとおりです。
- 英語のアニメーションや映画を字幕なしで観る
- 英語のリズムやイントネーションを真似する練習をする
- 英語のニュースやポッドキャストを聴く
- シャドーイング(聞いた内容を即座に繰り返す)練習をする
- 英会話スクールやオンラインレッスンで実践的なリスニング練習をする
- リスニング力を測るオンラインテストやクイズに挑戦する
- 音声認識機能を使って自分の発音を確認する
毎日の生活にリスニング練習を取り入れ、英語の音に触れる機会を増やしてください。耳が英語のリズムやイントネーションに慣れ、理解力が向上します。
スピーキング力を鍛える方法
スピーキング力を鍛える方法は、家庭での日常会話を英語で行ったり、簡単な質問に英語で答える練習をしたりするのが有効です。スピーキング力を鍛えることは小学生にとって重要です。実際に英語でコミュニケーションを取るためには、日常生活で英語を使う習慣を付けることが助けになります。
歌や詩を通じて楽しみながら発音を学ぶことも、スピーキング力向上に役立ちます。オンライン英会話サービスを活用し、ネイティブスピーカーとの定期的な対話もリアルな英会話能力の習得のために重要です。
英語の映画や動画を観て、登場人物のセリフを真似ることもスピーキング力を向上させる効果的な方法の一つです。子どもが興味を持ったものについて英語で話すことで、練習を楽しみながら続けられます。スピーキングに特化した教材やアプリを使うと、効率的に練習可能です。
スピーキング力を鍛える方法を組み合わせると、スピーキング力は自然に身に付き、英語を話すことがより得意になります。
リーディング力を鍛える方法
リーディング力を鍛えるためには、さまざまなテキストに触れることが重要です。小学生にとって、英語で書かれた絵本や児童書は英語教育に最適で、楽しみながらリーディング力を高められます。日常生活で使われる語彙の充実のために、単語帳を活用し新しい単語を覚えることも効果的です。
リーディング力を鍛えるためには、速読練習が有効です。文法の勉強を通して文章構造を理解することも、リーディングスキル向上に寄与します。リーディング後に内容を要約する練習をすると、理解度を一層深めることが可能です。
オーディオブックや朗読と一緒に読むことで、聞き取り能力の向上にもつながります。英語学習を楽しみながら進めるために、英語のクイズやゲームの利用もおすすめです。英語のクイズやゲームは読解力だけではなく、言語に対する関心やモチベーションを高める効果があります。
英語の日記や短いエッセイを書いてみることも大切です。自分の思考を英語で表現するトレーニングとなり、読む力の向上にも役立ちます。多角的なアプローチを取り入れることで、小学生でも英語のリーディング力を効率良く、楽しく鍛えられます。
» 小学生の英語の勉強方法を学年別、技能別に解説!
小学生の家庭での英語学習のポイント
小学生の家庭での英語学習は、学校での学びをより効果的にするために重要です。
ポイントは以下のとおりです。
- 親も一緒に学ぶ
- アウトプットする時間を作る
- 継続して学習する
学校の教材だけに頼らず、追加の資料やアプリを活用することが、学習の幅を広げ、興味を持続させる助けになります。
親も一緒に学ぶ
英語を学ぶ子どもにとって、親が同時に学び、サポートすることは重要です。子どもは親を見本にするため、親が英語に積極的に関わることで、英語に対しての学習意欲が向上します。
家庭学習時には親子で一緒に英語のアクティビティやゲームを行い、楽しみながら学習可能です。学校で習った教材を親子で復習することで、英語への理解を促し興味を刺激できます。
親が子どもの前で英語に触れる機会を積極的に作ることが効果的です。一緒に英語の歌を歌ったり、英語の映画を見たりすることで、自然な形で英語に親しむ環境を作り出せます。読み聞かせを英語で行うことにより、子どもの聞く力や語彙力を高められます。
子どもが自ら英語を学ぶ姿勢になるためには、親が英語学習する姿を見せるのが一番です。親子で共に学ぶことで、英語学習はより充実し、効果的なものになります。
アウトプットする時間を作る
アウトプットする時間を作るためには、毎日決まった時間を英語学習に当てることが重要です。決まった時間の学習で、英語を使う習慣を身に付けられます。子どもが学校や塾で学んだ英語の文を、発表する場を設けるのも有効な方法の一つです。英語で日記をつけさせることは、子どもの英語力を向上させるのに効果的です。
オンライン英会話サービスを利用することで、実際のコミュニケーションを通じて英語力も鍛えられます。英語の歌や短い会話劇を通じて、楽しみながら英語を使う力を育むのもおすすめです。アウトプットの練習を通して、子どもたちが英語を実際に使いこなせるようになります。
継続して学習する
継続して学習することは、小学生に英語を身に付けけさせるためには欠かせない要素です。習慣づけるためには、ハッキリとした目標設定が必要です。小さな目標を設けることで英語力の進歩が目に見え、達成感を得やすくなります。日常的に英語に触れることで、無理なく学習を続けられる習慣が育まれます。
学習プランやスケジュールの定期的な見直しと調整も大切です。スケジュールの見直しにより英語学習の停滞を防ぎ、学習のモチベーションを保つことが可能です。ゲームやアプリを使った学習や、英語でのコミュニケーションを取ることで実践的な英語スキル向上につながります。
成功体験を積み重ね、親が学習の手本となることが子どもの学習意欲を高めます。長期的な視点で英語学習に向き合い、焦らずに継続することが重要です。ポイントに注意して学習を継続することで、小学生は着実に英語力を伸ばせます。
» 小学生の家庭学習の秘訣
まとめ
日本の小学校における英語教育は、1992年に一部導入されました。徐々に全国的な展開を見せており、小学5・6年生においては2011年に英語教育が必修化。2020年からは小学3年生から英語学習開始が引き下げられ、日本の英語教育の充実が図られています。
学年ごとに異なるカリキュラムを通じて、子どもたちは英語学習に必要な技能をバランス良く伸ばす英語教育を受けられるようになっています。家庭での学習では、親のサポートや実践的なアウトプット、学習の継続が英語力向上のために重要です。
一方で、教師の指導の質や生徒の学習負担といった課題も存在します。しかし、子どもたちのコミュニケーション能力の向上には、英語教育が大きく寄与することは間違いありません。親のサポートのもとで、のびのびと英語学習ができる環境が必要です。
» 小学生の勉強方法を学年別、教科別に解説!